彼女とカメラと彼女の季節
本日は漫画の感想
タイトルは「彼女とカメラと彼女の季節」
講談社モーニングKCから2012年刊行のコミック全5巻で完結済み。
まずは、雑なあらすじ紹介
主人公の深山あかりちゃん(高3女)が同じクラスの仙堂ユキちゃん(高3女)に恋をするというお話。
最初はよくある同性愛を描いた漫画かと思ったんですが、蓋を開ければ恋愛を中心に描いた青春もの。その中に同性愛という要素がある。
2巻の終わりまで読んで凄い漫画を見つけてしまったと思いました。ゾクッっとするような2巻の終わり方は本当にイイ!
終盤は綺麗にまとめようとして失速した感じがあるものの、5巻で完結なので読みやすく良い漫画。
ではネタバレ含む感想
ここまで『嫉妬』を上手く描いた漫画はないんじゃないだろうか。
好きな人が取られそうになって焦る気持ち。そんな自分に対する不安と自己嫌悪。
片想いをしたことがある人なら共感できる部分も多いはず。
主人公の深山さんはユキに振り向いて欲しくてイケメンの凛太郎に甘える。キスもする。でも体は許さない。なんていうかやりすぎだけども、気持ちはわかる。なりふり構わない恋。まさに青春だと思う。
ただそれに振り回される凛太朗くんの描き方だけが残念。
彼に対する掘り下げが薄いため物語自体も薄っぺらく感じてしまう。
特にユキに誘惑されたタイミングで抱かない理由付けが薄すぎる。あんなんで止まる訳がない。
というか深山さんにフラれてそこからどう立ち直るかこそが、香川凛太郎というキャラクターの最大の見せ場になるだろうと思う。そこを描かないのは作者も彼を『都合のいい男』としか見てないんじゃないだろうか。見開きに『主役三人』なんて書くならもっと凛太朗の掘り下げをすべきだった。
本当にこの一点だけが残念。
ただそれ以外の部分、『主役二人』の心の動きやそれを写すカメラというアクセント。女子高生の日常。青春。恋愛。どれも素晴らしいものだった。
繰り返すけど2巻の終わり方は本当にイイ!ぜひ手に取ってほしい。
そんな漫画でした。
彼女とカメラと彼女の季節1巻【電子書籍】[ 月子 ]
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