らいあんさんの日常

ネガらないように気をつけて生きるらいあんさんの日常記録

この世界の片隅に(アニメ)

2016年公開のアニメ映画。
日本アカデミー賞のアニメ部門で最優秀賞を受賞。同年のアカデミー賞アニメ部門は君の名は。などの有力作がある中で、本作が最優秀賞を受賞したと言えば、本作が高い評価を受けていることが伝わるだろうか。

では、雑なあらすじ紹介
戦時中の日本が舞台。18歳で嫁いだ少女すずを中心に、太平洋戦争末期の広島で、儚くも強く生きる人々を優しい絵柄で描いた作品。

こんな感じの内容が私の知っていた事前情報。
正直、あらすじを見て視聴意欲がほとんど湧かなかった。だが、やはり食わず嫌いはダメだ。
本作は映画史に残る傑作。迷わず視聴すべき。

ネタバレあり感想
戦時中が舞台ということで、やはりストーリー展開は重い。物語の舞台である呉は軍港があり、空襲の標的に何度もなった背景もある。空襲、原爆投下など戦争が日常を侵食していく様は実に恐ろしい。
戦争が日常にあると人は簡単に死ぬ。
現代では若年層の死因1位は自殺。他殺で死ねば全国ニュースものだ。だが、戦時中では日常に他殺がある。それも虐殺と呼べるような他殺。その恐ろしさを改めて認識させられる。
それ以外にもすずの唯一の趣味とも言える絵が描けなくなる描写が二度ある。一度目は憲兵が紙と鉛筆を奪うことで。正直に言うとこの一度目の描写ではピンと来なかった。だが、二度目はそんな平和ボケしている私の頭でも理解できる方法で叩きつけてくる。

戦争に日常を侵食される恐ろしさ、その中を生き抜いた当時の人々の強さ。視聴後に様々な感情が一気に押し寄せる。本作は未視聴の人たちに絶対に観て欲しいと思う作品だった。