らいあんさんの日常

ネガらないように気をつけて生きるらいあんさんの日常記録

死刑について考える

日弁連死刑廃止を掲げるというニュースが流れました。

死刑制度は欧州では廃止の流れが進んでいるようです。

ですが、アジア圏では死刑制度は珍しいものではありません。これは世界的な流れというよりも宗教的な部分が大きいのではないでしょうか。ひとまず海外がこうだからという考え方は捨て置きましょう。

 

まず死刑は人を殺すということです。

執行者の視線からだとよくわかります。

【引用】●監獄協会雑誌第20号2号127~135頁(明治40年)
https://docs.google.com/View?id=ddb93p3v_6dwr3frf8

執行者の立場からみると廃止したいと思う制度ですね。

正直言って相当な給与を貰わないと執行人はやりたくないです。

 

今度は被害者の立場から。

正確には被害者遺族ですが、光市母子殺害事件の遺族:本村洋氏が出版した『天国のラブレター』から引用。

 

「殺した後のほうが犯しやすいから」という理由だけで、弥生を両手で絞殺し、レイプし……。

そして、死体となった母親にすがりついて泣き叫ぶ、夕夏まで殺してしまったのです。

 

この被害女性は23歳。子どもは生後11ヶ月。

加害者は当時未成年。しかし、裁判でも『ドラえもんを信じていた』などといった不可解な発言をし、2012年に死刑判決が確定しました。(2016年現在未執行のようです)

世界一治安が良いとさえ言われる日本でも信じられない凶悪事件が起こります。私は未婚です。子供もいません。それでもこの加害者に殺意を抱きます。

 

しかし、刑罰は仇討ちのためにあるものではありません。

加害者を更生させ社会復帰を促すというのが本来の在り方でしょう。ただこのような凶悪犯を社会復帰させるべきかと問われれば私はNOだとはっきり答えます。

世の中にはやり直しが効かないこともある。奪われてしまった被害者の人生のように。

 

では死刑ではなく終身刑でいいのではという意見もあります。私はこれにもNOと答えます。

理由は二つ。

一つ目が終身刑も万能ではないということ。終身刑といっても釈放はあります。ただ終身刑のような長期刑に服した人が社会復帰をするのは並大抵のことではありません。このあたりは以前紹介した『ショーシャンクの空に』が上手く映像で問題提起しています。

長期刑は直接手をくださないだけで、結果として受刑者を殺すことになりかねません。

 

もう一つの理由が、刑務所などの負担。受刑者を刑務所に放り込んで、はい終わり。では済みません。長期刑になればなるほど更生に向けた教育にコストが増えます。当然、受刑者は税金で養うことになります。はっきり言うと犯罪者の生活のために税金を払っていると考えると労働のモチベーションが落ちます。

 

ここまで改めて考えてみましたが一定の基準を超え、更生の見込みがない場合は極刑はやむなしではないでしょうか。

冤罪などの可能性に関しては死刑制度の問題点というよりも司法制度の問題点です。これは死刑制度とは別問題として議論されるべきかなと思いますのでここでは触れません。

 

刑罰がなくても上手くいくような社会が理想なんですが、夢物語なんでしょうね。現実問題として刑罰が実社会に即しているかどうかは常に考える必要があると思います。

 

 

天国からのラブレター (新潮文庫)

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