空の中
本日は小説です。
タイトルは『空の中』
作者は今や大人気作家の有川浩先生。有名なのは映画化もされた『図書館戦争』や『阪急電車』。他にもドラマ化された『空飛ぶ広報室』『三匹のおっさん』などなど。
ヒット作が多数のハズレなし作家です。どの作品を読んでも面白い。エンタメ小説の神様。
そんな有川浩先生のデビュー初期の作品のひとつが『空の中』。2004年刊行ということなので10年以上も前になるんですね。有川浩作品の中でも特にSF色の強い作品です。
では、雑なあらすじ紹介
航空自衛隊の飛行機乗りを父に持つ主人公と、謎の生物『フェイク』を中心に繰り広げられる怪獣大決戦。そこに甘い恋話がプラスアルファ。
怪獣大決戦は盛り過ぎかもだけど、主人公と怪獣を中心に自衛隊や怪しい団体の人たちがヒューマンドラマを繰り広げる。
有川浩小説を楽しむ重要なポイントなのですが『そんなのありえねーよ』と思わないこと。SF色が強いこの作品は、特に結構な頻度でそうなりがち。
例えるなら、忍者が屋根裏から偵察してるシーンを見て、どうやって屋根裏に侵入したんだろうとか考えちゃうタイプの人にはお勧めできません。
では、ネタバレ満載の感想。
ゴジラとETを足して2で割らない感じ。とにかく高已さん有能。シリア問題もこの人が仲裁したら解決すんじゃね?ってくらいの仲裁能力でした。
正直、怪獣周りは主題だけどオマケ。瞬や佳江、高已さんと光稀といった主要人物が織りなすヒューマンドラマを楽しむ小説。とくに高已さんと光稀の甘々恋愛話はこれぞ有川浩といったところ。SFと恋愛小説を同時に楽しみたいという人は稀だろうけど、そういう人には文句なしでお勧め。
終盤は割りとどうでもいい感じの扱いされてる白鯨ちゃんにも幸あれ。